現代病とも言われている「鬱病」。鬱病をいち早く治療するためには早期発見と早期治療がベストであります。その一方で「早期に」自分が鬱病だと気付き、そして自分が鬱だということを認めることは大変困難なことです。
自分が鬱病かどうかを判断するポイントとしては症状や仕事における精神状態などで何点か紹介してきましたが、今回は休日の過ごし方によっても鬱の傾向があるというお話をさせていただきます。
鬱と休日

鬱病になると本当に何もできなくなってしまいます。
食事をまともに取る気力も湧かなければ、一人で出勤することも大変困難になります。ここまで重度になると会社を休んで、しっかりと休養をとる必要がありますが、その重度の鬱の入り口として、重要なチェックポイントとして「休日になにもできなくなる」ことがあげられると考えます。
一般的に鬱病の人でも仕事自体は問題なくこなせていることが多いです。実際に私も(当時の自分の感覚でもありますが)仕事をするにあたっては特に異常をきたすことはありませんでした。職場や仕事をしているという緊張感が体をめぐっており、それゆえに体が無理やりにでも動くといったほうが伝わりやすいかとも思います。
しかし、いざ仕事の休日。今日は休日出勤もする必要がなさそうだという日だと話は一変します。
とにかく何もすることができない。家にいてただただ夜まで寝るか、ぼーっと景色を眺めているだけでした。部屋の掃除もごはんの準備も仕事の準備もあったはずなのに、気づけばもう一日が終わってしまう…
「なにをやっていたんだ」という後悔とともに明日に対する恐怖で休日が終わってしまうことを自覚したときはよく泣いていました。
やはり人間、仕事の日にはしっかりと働く!そして稼いだお金で休日しっかり遊ぶ!このようなメリハリをとってこそ毎日の激務をこなせるというものです。だれしも働くためだけに生きている人はいないでしょう。休日の時間を充実して過ごすことができなければ、それが原因となって少しずつ心が崩れ始め、体調も悪くなっていきます。
そしてそのような日が続いてしまうと、ストレスを発散できる時間もなくなってしまい鬱に向かって突き進んでしまうのです。
鬱の時の休日の過ごし方とは?
何もせずに一日が終わり、明日仕事のことを考えると涙が溢れてくる。
そういう時に考えるのが「次の休みこそは絶対に何かをしよう!」ということです。
これは決意というよりも焦りに近い感覚です。今日は休みを無駄にしてしまった。このままいくと自分の人生が仕事漬けで終わってしまう。だから何かをしなければいけない。
これも…だから~しなくてはいけないという鬱の準備段階における心理状況に陥ってしまっているのです。このような焦燥感があると、せっかくの休日でも体と心を休めることができませんよね。むしろ~しなくてはいけないと思いいろいろとやってみても逆効果で疲労が蓄積してしまうかもしれません。
鬱になると何もできないと上述しましたが、「休む」ことすらもできなくなってしまうのです。
では鬱の時にはどのように休日を過ごしたらよいかというと…
「やりたいことをやりたいだけやる!」
ということだと私は考えます。
- 今は不調だから何もせずに休む
- 体を動かしたくなったからスポーツする
- 気になっていた新作のゲームを一日で全クリする
- ちょっと遠出をして、いつもと違う景色を楽しむ
- 食べたいものを食べたいだけ食べる
やりたかったことに自分をゆだね、心行くまでやってしまうのです。
その時に大切なのが自分の心の気の向くままに行動してみるということです。
鬱やその一歩手前の状態のところから他の人にあれをしろこれをしろと言われても、本当に自分のやりたいこととはかけ離れていて、その言われたことをすること自体がまたストレスになってしまう可能性があります。鬱になりやすい人の傾向として嫌なことを嫌と言えず、人から言われたことを素直に受け入れてしまい、本来自分がやりたくないことをいつの間にかやらされています。
「鬱を治すために嫌なことはNOと言いましょう!」
それがもちろんベストな回答だと思いますが、それができれば鬱になってないよ…ですよね。
私も鬱の時に散々鬱の治し方について調べましたが、結構上記のような解答をする資料もあり、それができれば…と思ったものです。
休日の時間はほかの誰のものでもありません。あなただけの時間です。好きなことをして誰かに文句を言われる筋合いもありません。休みの日くらいは自分の心にYESと言ってあげて、やりたいことをやりつくしましょう!
鬱の休日の抜け出し方
仕事が終わってから家に帰っても本当に何もできませんでした。
ご飯ものどを通らずただただ流れてくる涙をぬぐうだけの時間が刻々と過ぎていきます。そして明日の起きる時間を考えてそろそろ寝なくてはいけなくなり、再び明日のことを思い涙を流す毎日でした。
休日も同じです。休みに入る前日は明日何しようかと考え気分もよくなっていましたが、いざ実際に過ごす休日はただひたすらに寝るだけでした。夕方に起きて涙を流しながら夜ご飯を食べ、涙を流しながら寝る。
こんな日々を続けていたら心も壊れますよね。
仕事の準備や家事などをしなくてはいけないという気持ちもあります。しかしそれ以上に何もできない、いやする気力が湧かないのです。
そんな私を思ってか、当時同棲していた彼女(現妻)がしてくれたことがあります。それはやりたいことをひたすらにやらせることでした。
当時の私は仕事のストレスを和らげるために毎日のように泥酔して眠れるようにお酒に頼っていました。胃痙攣を起こし病院に行って「これ以上このペースでお酒を呑んでいるといつか胃に穴が開く」と言われてもやめることはありませんでした。
やめよう。やめよう。と思えば思うほど飲んでいました。罪悪感もありました。
そこで彼女がしてくれたことが「休みの日の前日限定でお酒を好きなだけのめ!」と言ってくれました。
普通ならば止めるべきところです。これ以上呑むと胃に穴が開きます。それでも彼女はGOサインを出してくれました。
罪悪感がなくなり、心がすごく軽くなったのを覚えています。
そして最も驚いたのが毎日飲んでいたお酒の量がどんどんと減り、最終的には飲まなくともよくなったのです。
人間本当に不思議なもので「するな」と言われると「したく」なります。それと同じで過剰にお酒を摂取することはいけないことだと思い医者からも「飲むな」と言われると「飲みたく」なりました。そして「するな」ではなく「してもいいよ」と言われた瞬間に「したくなくなる」のです。
あれほど飲んでいたのにお酒を口にした瞬間に「まずい…」と思うようにすらなりました。
そして思ったのが「やりたいこと」を我慢するよりも、今は体調も心も悪いからいっそのことやっちゃえ!と思い、我慢せずやろうと実践しました。すると1つ、また1つとやりたいことが消えていくたびにストレスも軽減し、休日はいつもと同じ時間に起きるようになりました。
「休みの日には寝たい」をとことんまでやった結果、「寝たくない」に変わり、休みの日にも早く起きて、空いた時間を有意義に使えるようになったのです。
私の場合のやりたいがお酒を呑むということだっただけで、みなさんにお酒をのんでくださいね!ということを勧めているわけではありませんよ。
あなたも自分のやりたいと思う事をたまには心行くまでやってみてはいかがでしょうか?
やりたいことがなくて困っている…
仕事のストレスで鬱になりそうだというときの休日は自分のやりたかったことをやりたいだけやることがベストだと私は考えます。
その一方でやりたいことがなくて困っている人も多くいるはずです。
やりたいことが見つからないことで焦っているのであればいっそのこと
「なにもしない」
というのはいかがでしょうか?
なにかしなくては、なにかしなくてはと思うからどんどん焦ってくるのです。何もしないということを選択肢の一つにいれてしまうのです。
けど、ほかの人は自分の好きなことをみつけて頑張っているのに…。
あなたは会社で何もしていませんか?
ただただ時間が過ぎていくのを見つめていくだけですか?
きっと違うはず。だれよりも仕事を効率よく終わらせることを考えたり、1つでも多くの商品を売るために営業に飛び込んで行ったり、職場の雰囲気を良くしようと人間関係の構築にがんばったり、だれよりも動いています。
たまの休日に何もしなくたって誰にも怒られませんよ。
それでも…というのであれば騙されたと思って試しに何もしないでみてください。数十分、数時間と経ったときにはあれ?なにか自然としているはずです。
散歩に行ったり、買い物に行ったり、家の掃除をしていたり。それがきっとあなたが本心でしたいと思っていたことです。
学生の時にテスト勉強に飽きたときに机の周りを片付けてしまう。この現象によく似ていると思います。学生の時とは違うのが何もしなくても許されるということです。
なにもしたいことがないのであれば何もしなくてもいいんです。
すべては自分の好きなように思うように行動すること。これが鬱の時の休日の過ごし方だと考えます。
まとめ
大切なことは自分自身を肯定してあげることです。
なにかをしたい自分を。なにもしたくない自分を。なにかをやっている自分を。
自分に厳しいあなたです。なかなか難しいかもしれませんが、それが鬱を治すきっかけになりますよ。
ただもちろん公共料金の支払いや誰かとの待ち合わせ、期日のある仕事などしなくてはいけないということももちろんあるかと思いますので、そこだけはお忘れなくです!
以前趣味を持ったり、スポーツをしたりするとストレス発散につながっていいよという内容を記事にしました。
もし記事を読んでいただき鬱から抜け出して心に余裕ができたとき、休みの日に内をしようかと思ったときにこんな記事があったなと思っていただけると幸いです。