会社で過ごす時間は朝から晩まで、就業規則であれば8時間。一日7時間睡眠をとるとすれば一日の大半を過ごすことになります。
また人生を通して会社員として過ごす期間であれば約50年間という人生の半分を職場で過ごすこととなります。
その人生の大半を過ごす職場での人間関係が良好かどうかというのは、あなたの人生の明暗をくっきりと分けると言っても過言ではないでしょう。
しかしその一方で
- 上司が鬼教官のようだ
- 足を引っ張ってくる従業員がいる
- 協調性がなく和を乱そうとする社員がいる
- いつも失敗ばかりの後輩社員
その他にもパワハラ、セクハラ、モラハラなどの社会問題になっている人間関係に苦しんでいる人も少なくはありません。
「この仕事を辞めて次に行こう」と会社に見切りをつけて転職することは簡単ではありますが、もし次の会社でも理想の職場でなかったら…と考えると、今の職場の人間関係が悪いから転職するというのも大変リスクが高い可能性があります。
今回はそんな悩ましい会社の人間関係について
なぜ人間関係で疲れるのか、そして疲れたらしてほしいことについてお話させていただきます。
Contents
退職理由第一位
こちらの記事に書きましたが、退職理由の第一位というのは職場の人間関係です。
会社を辞めた「退職先輩」社員の多くが職場の人間関係に悩んだり、人間関係のストレスから解放されたいと考えていることがわかります。
職場の人間関係は良好にしたい
だれしも職場の人間関係を悪くしようなどということはこれっぽっちも考えていないと思います。
最近の若いやつは輪を乱したがる!
これって本当なのでしょうか?
➤ 人間関係を悪くしようと考えている人はいない
平成27年度 新入社員を対象にした『「働くことの意識」調査結果』によると、「仕事をしていく上で人間関係に不安を感じる」と答える人が66.5%いる一方で、「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」と考える人は94.8%もいることが明らかになっています。
公平財団法人 日本生産性本部 『「働くことの意識」調査結果』より
一般的な若いやつらと言われている方々も職場の人間関係を良くしたい、良好な人間関係を構築することで仕事に生かしていきたいという思いがあることがわかります。
そして、良好な人間関係を構築することができれば
- 余計なストレスに悩まされない
- 仕事の連携がスムーズに行われる
というメリットがあります。「職場の人間関係」に関するセミナーや著書も多くあることから、どれだけ職場の人間関係が業務に与える影響があるかということがわかりますね。
➤ 多くの人々が人間関係に悩まされている現状
自ら職場の人間関係を悪くしようという人はいません。
その一方で、人間関係がうまくいかないと悩んでいる人が多いのが現状です。
特に新卒で入社した新入社員の場合、学生時代アルバイトなどを通して社会で働くという経験はあっても、会社生活というのは初めてです。
今までは同学年か少し上の世代と接することはあったと思いますが、自分の両親と同世代の人と働くという経験は少ないと思います。同期の社員もいれば、両親と同世代の先輩社員もいる。歴が経てば後輩社員もでき、自分よりも年上の従業員に指導するということも出てきます。
このように今までは横の人間関係が多かったのが、会社生活に入った瞬間に縦のつながりも生まれるので職場の人間関係は余計に複雑に感じ、仕事も覚えなければいけないのに良好な人間関係を築こうとするとさらにストレスに感じることでしょう。
人間関係で疲れる理由
上記のように人間関係を悪くしようと考えている人は多くはありません。
出来る限り人間関係を良好に保ちたいと考えている人の方が多いです。
しかし、現状としては人間関係に疲れている人の方が多いです。
ではなぜみんながみんな人間関係を良好に保ちたいと考えているのに、逆に悪化してしまったり疲れてしまったりしてしまうのでしょうか?
➤ 職場の人間関係に疲れる理由
職場の人間関係に疲れるのは、「嫌われたくないと考える心が強い」からです。
特に「これを言ったら、この人はどう思うんだろう…」と考えてしまい、嫌われたくないと心の中で感じているから、上司や同僚、部下や従業員の自分に対する接し方が気になるのです。
- この仕事を振ってら、この人はキャパオーバーしないかな
- この態度で指導したら、嫌な思いはしないだろうか
- ここまで怒ったら、ストレスにならないだろうか
嫌われたくないと考え、自分の立ち回りを変えていくこと自体は問題もなく、良好な人間関係を構築するにあたって必要なことでもあります。
例えば職場の従業員が10人いたとして10人ともあなたのことを好きな人であったら仕事はやりやすいでしょうね。
職場の人間関係で悩んでいる人の多くが、嫌われたくないという心理から10人ともすべてに好かれたいと尽力してしまいます。その自分を嫌っている1人でさえも自分のことを空いてくれるように頑張って気苦労ばかりが積み重なっていくので、ストレスもどんどんと蓄積していく結果になります。
もちろんその1人もあなたのことを好きになってくれればいいですが他人の考え方というのはなかなか変えることができません。自分が頑張って良くしようと悪戦苦闘したところでなかなか良くならないのが実情です…
そこで、職場の人間関係に悩んだ時はあなたが変化する必要があるのです。
人間関係に疲れたときにしてほしいこと
このように職場の人間関係に疲れる理由としては「みんなに好かれよう」と思う心理からです。
頑張っても頑張っても職場の人間関係が良くならず「仕事を辞めよう」と思ったときにまず何をすればいいでしょうか?
➤ 自分が変わる
厳しすぎる鬼上司、めんどくさい従業員、あなたの足を引っ張るような後輩。
これらすべてにあなたが好かれようとする必要はありません。
ある一定のパフォーマンスができるのであれば人間関係を良好にするように考える必要はないのです。
「この人とは価値観が合わない」と切り捨ててしまうことも時には必要です。
上述の通り10人従業員がいれば1人には嫌われるということをしっかり頭にいれて、その一人はもう諦めることもストレスを抱えないように仕事をする上では重要なこととなってきます。
無理して合わせなくてもいいんですよ!それよりもあなたの目の前にある膨大な仕事が一つでも迅速に終わらせられるように努力することの方が気持ちがいくらか楽になるかもしれません。
「嫌っている人がいるかもしれないが、自分は自分で変わらない」
このような気持ちで過ごしていると、些細な人間関係でぶれない自分が生まれます。
嫌われたっていいんです。
あなたはその人に好かれるために仕事をしているのですか?
➤ 信頼のおける人に相談する
信頼のおける上司や友人、家族などあなたにアドバイスをくれる身近な人に困ったときはまず相談しましょう。
もちろん、その悩みの種の職場の人に話を聞ければ一番ですが、難しい場合は外部の人に相談しましょう。
ずーっと悩んでいた悩みが解消されストレスが軽減するかもしれません。
まずは信頼のおける人に相談して冷静に状況を整理していきましょう。
自分よりも目上の人や年上の人であれば同様の経験をしていて、その解決策も知っている可能性は高いです。
➤ 人事部や会社の公正な第三者に相談する
人間関係に悩んで辞めようかと思ったり、あまりにもひどいパワハラやモラハラがある場合は社内の人事部や人事権のある人などに相談してみるのも一つの手です。
「客観的にみてもひどい職場の人間関係」であるのであれば会社としても動かざるを得ないかもしれません。
そのような状況を放置しておくとどんどん業務の効率も下がっていくからです。
人事権を行使して職場の従業員の配置を変えたり、あなたを別の部署などに転勤や異動をかけてくれたり、今の現状から救ってくれる可能性があります。
まとめ
人間関係に疲れるのは知らず知らずのうちに好かれようと思っているからという理由でした。
誰からも好かれようとしない行動は「わがままな」行動であると捉えられる可能性もありますが
好かれることをあきらめることで一気に道が開けることもあります。
また、信頼のおける人に相談した結果はやり辞めた方がいいと判断されたり、会社に相談しても全く動いてくれなかったり、考え方を変えてもやはりストレスが続く場合は転職などで環境を変えてみることをおすすめします。